『信頼が変化した日』






ココはとても華やかで賑わう場所、歌舞伎町。
しかし、裏では銃声・叫び声・雄叫びそして刀がぶつかりあう音が聞こえる場所。
今日も裏では国を変えようと戦う正義の刀、攘夷浪士と
国と国民を守ろうと戦う正義の刀、真選組隊士がぶつかりあっていた。

「どけ。幕府の犬どもッ!!」
沖田「どけと言われてどくほど、しつけのされた犬じゃないんでね。それは、無理でさァ」

この場には1番隊がまわされたていた。1番隊は真選組内でも腕のいい隊士が多く集まっている。
その隊と言い合いにはなっているものの会話をしながら戦うことができているということは、この攘夷浪士たちもかなりの腕のようだ。
沖田はさっきまで戦っていた相手を倒すとこの集まりの頭へと刀を振り降ろした。

「貴方たちはどうしてこんな腐りかけている国を守るのですか!!」

頭は刀を受け止めながらそう言った。

沖田「こんな国でも守り通さなきゃならないものがあるからねィ」

沖田は更に刀に力を加えた。
そのため、背後から迫るもう一人の攘夷浪士に気づかなかった。
もう一人の敵と戦う沖田に刀が背後から振り降ろされる。
どうすることもこの場では困難な沖田はとっさに衝撃に備えた。

沖田「ッ!?」

しかし、予想していた痛みは来なかった。
何故なら・・・・・・

「隊長の後ろを守るのが副隊長の役目。こっちは気にすんな」

副隊長のが振り降ろされた刀が沖田に届くよりも早く、その攘夷浪士を斬っていたのだ。
背後の敵がいなくなった沖田は隙ができた頭に一撃を加え斬った。
攘夷浪士が全て戦闘不能になったの確認すると隊士たちは刀を鞘にしまった。

沖田「本部へ連絡。負傷者の手当てをしろィ」

沖田は隊長らしくテキパキと命令をだしていった。
今回は厄介な集まりだったため、負傷者も普段より多かった。

「隊長。怪我はない?」

は周りの負傷した隊士の手当てを終え、沖田のもとへと駆け寄った。
彼女はほぼ無傷だったらしくピンピンしている。

沖田「大丈夫でさァ。まあ、に背中を守ってもらって無かったら大怪我だったけどねィ」

「あん時も言ったでしょう?隊長の後ろを守るのが副隊長の役目だって」

は沖田の肩に手を置きながらそう言い、笑った。

沖田「どうして俺はいつもアンタに守られてるだけなんだろうねィ」

ボソッとすぐ側にいたですら聞こえないくらいの声でそう言った。

「はい?何か言った?」
沖田「いや、別に」

平然を装ってそう言ったものの沖田は自分で驚いていた。

沖田「(何でィ、今の。自分に苛立ちを感じたとでもいうのかィ?)」

その場の片づけを終えた1番隊は真選組屯所へと向かった。





近藤「みんな、ご苦労だった。今日はもう休め」

真選組局長こと近藤勲はそう言って出迎えた。
隊士たちは強張っていた顔を崩し安堵の表情を浮かべた。
そして、それぞれの自室へと帰っていった。

「局長ただいま」

自室へとは戻らず残っていた、沖田とは近藤の元へと向かった。

近藤「あぁ。お帰り、・総悟」
沖田「近藤さん。毎度毎度そんな顔しないでくだせェ。コイツに移っちまう」

近藤は笑ってはいるのだが辛そうな顔をしていた。
真選組の仕事は時には今回の様に人を斬らなくてはいけない。
それが自分たちが思う正しい道だとしても、血を流すことには変わりのないことで、あまり喜ぶことは出来なかったのだ。
近藤は自分につられて辛そうな笑みを浮かべるを見た。
そして、そう言っときながらも同じく辛そうな顔をしている沖田も。

近藤「そうだな。いや、スマンスマン。」

近藤はそう言いながらの頭に手を伸ばした。

「「「 !? 」」」

しかし、その手はの頭に届かなかった。

「た、隊長?どうした?」
沖田「・・・・・・・・」

は沖田に腕を引っ張られ、引き寄せられていた。
沖田も無意識にしたことのようで自分の行動に驚いている様子だ。

近藤「突然どうしたんだ?総悟」

すると沖田はニヤリと笑った。

沖田「すいやせん。触られたくないと思っちまったもんで、つい」
近藤「それどういう事!?俺は汚いから触っちゃいけないってこと!?」

近藤は「勲ショックッ!!(泣)」と言いながらそうツッこんだ。
は意味が分からないという顔をしていたが、近藤のツッコミにより理解をしたようだ。
すると沖田はの腕からは手を離し、の手を掴んだ。

沖田「んじゃ。そう言うことなんで、土方コノヤローを暗殺して来やす」
「また、副長で遊ぶのかよ(笑)」

そう言うと沖田は局長を置いてそのままを連れて土方捜索を開始した。

「んにしても。さっきのには驚いたな」
沖田「仕方ないでさァ。ホントの事なんで」

沖田はキッパリとそう言った。

「局長って確かにお父さんって感じだけど、汚いか?(笑)」

は笑いながらそう言った。
沖田も軽く笑った。

沖田「(俺が言った『ホント』ってのは、そっちじゃないんだけどねィ)」

沖田は気づいてしまった。
どうして彼女に守られると自分に苛立ちを感じてしまうのか、どうして無意識に彼女の腕を引っ張ったのか、
どうして他の人に触れさしたくないと思ったのか。
沖田は繋いだ手を強く握った。
それは信頼できる副隊長から自分のものにしたいと思う人へと変わった瞬間だった。








〔アトガキ〕
うわぁー。またグダグダになっちまったよ。
ってかもうサイト開設1周年です!!
3日坊主の自分がココまで出来たのは奇跡に近い・・・・。
コレも皆さんからのコメント等のおかげです^^
ココまで読んで下さった方&コレをもらって下さった方!
本当にありがとうございますw
これからも『ワールドスケッチ』をヨロシクお願いします。
ではでは、Xmas 前ということで
サイコーのクリスマスを迎えて下さいっ。

081220 管理人 灰(カイ)

ちなみに、このアトガキは編集して貰っておkです。

配布は終了しました。